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旅中断の危機になりそうです。まさかこんな事になるとは。
朝8時頃にリビングストン(地図)へと走り出した。距離は133km。12時間走れば到着できるかなという距離。
テントを張らせてもらった送電施設の従業員の方々と話していたがこの地域はとても暑い。この日も最高気温は40度、最低気温は26℃と暑かった。深夜1時ごろまで地面が熱を持っていてテントの中も暑かった。それに湿気もある。これまで南アフリカとナミビアを走ってきたが夜は乾燥していて15度くらいと涼しかっただけに、昨日の夜は寝苦しさを感じた。
送電施設の従業員の方に「今日はどこまでいくんだい?」と聞かれたので「リビングストン」と答えると驚いていた。良い日を~と言ってお別れ。フレンドリーな方々でした。
テントの近くで、ザンビアのカマキリを発見しました。
今日は133kmと長丁場。道路はアスファルトが劣化していて大きな穴がいくつもあった。僕の他にも車が何台か走っていたが、道路の穴を避けるためにジグザグに走行していたのが印象的だった。自転車で走る身としてはアスファルトの部分が多く、いつも通り走っていれば夜8時頃にリビングストンへ到着できそうだなと思っていた。
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アスファルトで快適だなと走っていたが、砂の道が現れた。
走り始めてからまだ20kmしか進んでいない…。もしかしてリビングストンまで110km砂の道がずっと続くのかな…。そう考えると今日は予定通りに進めないだろうな、とにかく出来るだけ走ってどこかで野宿しよう。そう考えながら走った。下の画像は本日の工程の地図だ。
テントを張った送電施設から72km地点にカズングラという町がある。
既に20km走っているのでカズングラへはあと50km。このまま砂の道が続いたとしても今日中にカズングラへは行けそうだった。カズングラまで行けば宿や食事する場所もある。砂の道が現れたが、そこまで大変だとは感じていなかった。未舗装路特有の上下の振動に耐えながら走っていた。
こんな辺鄙な場所にも、道路脇に小屋を建てて住んでいる人がいた。英語が喋れる様子で、時々彼らとの会話を楽しみながら走った。
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あれ?…しばらく状況を呑み込めなかった。
まさかとは思ったが、目の前のハンドルが折れたのだ。
音もなく、また前兆もなく、あらかじめ失われた物のように。写真でも綺麗に折れているのがわかるかと思う。やっと頭が追い付いてきた気がした。でもこの故障は直せない。どうしようか。
空気入れをテコのように使って、チューブを使って巻いてみた。本当にありがたいことなのだが、ハンドルとジタバタ格闘している頃に、地元の人が自転車でやってきて手伝ってくれたのだ。助かりました。
このハンドルの状態で砂の道を走ったが本当に大変だった。何度もコケそうになりながら走った。ありがたいことに砂の道は10kmほどで終わって、もとの劣化したアスファルトの道に戻った。
予想外の出来事もあって水も無くなりかけていた。折れたハンドルの応急処置を手伝ってくれたお兄様方が「俺の家来いよ。そしたらそのハンドルに鉄の棒差し込んで修理してやる。で水ももうちょっといけば買える場所あるから一緒に行こう。あと家で一緒にマリファナを吸わないか?」
優しさに感謝しながら別れを告げた。ザンビアにもマリファナやマフィアといった黒い背景があるらしい。写真の後ろの男だがその筋の方だったかもれいない。心優しい方だったが。
ハンドルを応急処置し走ったのだが、手が異常に疲れるのが分かった。若干の痛みを感じる。
水も無くなってきた頃、小さな村の売店を発見した。この村にはSHOPと掲げた店が4件あったが、1店舗しか水や飲料を売っていなかった。店内は真っ暗なのだが人が多く買い物するだけで怖かった。
大きなペットボトルの飲料は売っていなかったので、500mlペットボトルの水を6個購入。やはり暑くて水の消費も早い。約210円で合計3ℓの水を買ったが、財布の中にある紙幣も使い切ってしまった。
ハンドルが折れた状態に苦戦しながら、昼過ぎにカズングラに到着。
財布にある程度の紙幣が欲しくてカズングラに一つしかない銀行へ行った。しかしVISAが使えずお金をおろせなかった。町を歩いている住人に聞いた所、カズングラの国境(ボツワナとザンビア)に行けばATMがあるよと教えてもらった。
今日中にリビングストンまで走りたかったので急いで国境のATMへと向かった。
国境はゴチャゴチャしていて人も多かった。
ATMの場所を探していると地元の方が助けてくれた。ありがたい。ATMの写真は警備兵がダメだというので撮れなかった。ので記念に案内してくれたお兄さんと写真。名前も聞いていないが助かった。
おろしたお金で水とコーラを買い、カズングラから飛び出した。リビングストンまであと60km。夕方3時。
ハンドルを空気入れで応急処置をしても重心が右に掛かってしまい、意味のないようなものに思えた。空気入れを抜いて、折れたハンドルそのままの状態で走り続けた。そのままの状態の方が走りやすかった。
ハンドルが壊れているので、力めずにスピードも遅かったと思う。
次第に右手が痛くなりはじめ、疲労感もピークになってきた。天気も悪かった。スコールだとは思うが20分ほど雨に打たれながら走った。
ハンドルが折れた状態では特に登り坂が大変だった。今の精一杯の力を振り絞って足を動かした。
疲れで眠くなってきた。おそらく自転車の上で数分は寝ていた。旅人の町リビングストンへようこその標識が見えた。まだ町の中心へはここから20kmほどある。必死に足を動かした。
リビングストンに着いた頃にはすっかり夜だった。ザンビアの町は暗い。電灯がない。しかし通行者や車の通りが多いので道路は騒々しい。町の中は未舗装路も多く、自転車を押して歩いたりしながら…。
やっと宿に着いた。走る前から予約していてキャンセルできなかったので、なんとしても到着したかった。1泊3300円。時刻は夜8時頃。
朝から何も食べていない。夕食を作ってくれる宿でチキンカレーを注文した。もうどこのお店もやっていない時間だったので助かった。バナナとマンゴージュースは従業員の方のご厚意により無料でいただいた。ありがたい。
しかし自転車をどうしようか。このまま走ると手が故障しそうなくらい痛い。修理できそうな自転車屋は481km先のルサカにしかない。ハンドルの無い状態で135km走ってリビングストンに着いたが、自転車屋のあるルサカまで走ったら本当に体が壊れそう…。