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まさかと思うが…地獄の落とし穴へと落ちた。

 

今僕はテントの中で裸になって汗だくでこの記事を書いている。おそらく暑さにより今晩は一睡もできないだろう。

 

 

この日は何時になく最高の始まりだった。実はJICA(海外協力隊)の方から連絡を頂きお会いすることになった。僕はルサカから出発する前であまり時間はなかったのだが、色々とお話を聞きたくて自転車で彼のもとへと出向いた。

 

彼の名前は林さん。気さくで物腰の柔らかい人物だった。ザンビアの現状、特に水不足の地域についてを改善するお仕事をされているとのこと。ザンビアの田舎を走ってここまでやってきたが、確かに水道もないような集落がたくさんあった。大型トラックで集落の方へ水を配っている様子も見受けられた。僕は趣味だが、彼は仕事でザンビアにやってきている。素直に尊敬した。

 

 

色々と頂いてしまった。

 

キンチョウの蚊取り線香、ロキソニンテープ、MOREOというザンビアのお菓子(OREOのパクリ商品らしい)、水で食べれる状態になる五目御飯。どれも有難いものだった。特にロキソニンテープは痛めてしまったお尻と腰にすぐにでも張ってみたい。ここまで自転車で走ってきたがやはり痛い。なんとか走ろうと思うが…。少し無理をして走っていた。

 

 

なんとご厚意によりレストランでご馳走まで頂いてしまった。道路脇にZAMBEEFというダジャレのような牛肉の看板を頻繁に見ていて気になっていたのだが、ここではそのZAMBEEFが食べられるらしい。

 

林さんの勧めもあって、ザンビアでよく食べられているT-BONEのステーキを注文した。

 

 

いつもはザンビアだからと料理を食べた時の評価は甘めなのだが、ここのは偽りなく美味しいステーキだった。値段は1000円弱とお値打ち。日本で食べたら3000円以上はするものだと思う。野菜も食べ放題だった。ザンビアに来てから、より野菜を食べる機会が少なくなった僕は野菜不足を解消しようと沢山野菜を食べた。全体的なボリュームも多く満腹になるまで食べた。

 

お互いに遠距離で妻を持つ身、旅が好きだったり、スポーツや自転車が好きだったり、共通点が多く話が弾んだ。また僕にとっては初めて聞いたことが多く勉強させていただきました。

 

 

幸せのひと時でした。本当にありがたい。久々に日本語でトーク。またどこかでお会いできるのを楽しみに。何かあったら連絡してくれと言ってくれた林さんの存在は僕にとって心強いものになりました。

 

楽しい時間はあっという間。僕は林さんとお別れした後、名残惜しく感じながらルサカを出発しました。

 

 

首都ルサカから郊外までは少し危なそうな場所を走っていた。

 

出来るだけ全力でスピードを出して走った。

 

 

50kmほど走って夕日が傾いてきた。この辺りで寝床を探すことにした。

 

あらかじめ地図で探しておいたキャンプ場へ。地図通りにキャンプ場がない可能性もあったが野宿を回避できた。ここはGoogleMapでも高評価のFringilla Lodge(地図)。

 

 

しかしキャンプサイトは満室で空きがなかった。スタッフさんが言うにはシャレーと呼ばれる部屋もあり値段は3600円とのこと。値段を聞いて僕は泊まろうか悩んだ。悩んでいる僕を見兼ねたスタッフさんが「学校の近くならキャンプを張れるわよ」とご厚意で言ってくれた。値段は800円とのこと。

 

おそらく学校の近くにテントを張った場合は、バッテリーの充電が出来ないだろうと僕は考えて、今晩はシャレーに泊まることにした。……この判断が良くなかった。首都ルサカにしばらくいたことで、ザンビアの停電事情をすっかり忘れていたのだ。そして見た目は綺麗な部屋なのだが作りは簡素で隙間が多い。網戸も粗く蚊や虫は平気で入ってくるだろう。

 

 

夜9時になると停電した。バッテリーの充電どころではなかった。電気が止まり扇風機もつかなくなった部屋は一気に暑くなった。汗がどんどん出てきた。

 

しばらくすれば電気が付くだろうと思っていた。暗闇だが蚊の羽音がするので、自転車用のライトで照らしながら蚊取り線香に火をつけた。

 

 

日本の蚊取り線香だから安心していたが、やはり蚊の羽音が所々から聞こえてくる。

 

どうやら効き目が薄かったようだ。僕がいつも使っている「蚊がいなくなるスプレー」も使ってみた。蚊が撃退する瞬間を動画にした。

 

 

 

何匹もの蚊がベッドの上で倒れていくのを見たが、やはり蚊の羽音が耳の近くで聞こえてくる。

 

…とその時だった。部屋の中でざわざわ何かが動く音がした。なんだこの音は…。

 

 

 

ゴキブリだった。しかもベッドの上を歩いてるではないか。またゴキブリだ。数日前にも苦しめられた記憶が舞い戻ってきた。やはり僕はテントに退散することにした。

 

 

自転車用のライトの灯りを頼りに部屋にテントを張った。暗闇でシャワーも浴びた。

 

一向に電気は復旧しなかった。テントの中で記事を書いているが暑くて死にそうだ。先ほど寝ようとしていたが汗だくでもうダメだと思いながら起きた。もう起きるしかない。時刻は早朝5時近くだが眠っていない。明日は寝不足で大変な一日になりそうだ。助けてくれ。きつい。もう外でテントを張っていた方が涼しくてマシだろう。先ほどキャンプ場に空きがない理由がわかった。…せっかくお金を払ったのに…。まるで大きな落とし穴に落ちたかのようだった。

 

以前も書いたがザンビアでは評判の良い宿でも当てにならない。とにかくソーラーパネルなどで自家発電しているかしていないかで判断したほうが良い。ザンビアは水力発電しかなく、毎年水不足で停電するらしい。JICAの林さんもいっていたが今年の停電は異常らしい。これからも苦しめられそうです。早くタンザニアまで走りたいところ。

 




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