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良い宿だったよ。Canyon Roadhouse(地図)
オーナーさんめっちゃ優しい人でした。結局一緒に呑むことはなかったけどいい出会いだったよ。自転車旅にも興味持っていただけたみたい。出発する前に記念撮影をした。異国の地でも気の合う方にお会いできて嬉しかった。自転車で世界一周をする理由は僕の夢だから。とかそんな話をした。
オーナーさんが別れ際、涙目だったので僕もウルっとなってしまった。自転車世界一周は僕の夢であり目標です。今日も走ります。今日は92km先のゼーハイムを目指して。良い一日を~、と言って走り出した。
順調に走れば10時間で目的地に到着できそうだけど、ゼーハイムに着けなければ野宿の可能性もある。ゼーハイムは町というか大きな宿が立っていてるだけの場所みたい。
………ここから恐怖が始まるとは予想だにしていなかった。
ゼーハイムまでC12という道路を走る。
この日は向かい風で大変だった。アフリカは偏西風が吹いていて北上しようとするものならモロに影響を被る。反対に南下しようとすれば追い風になる日が多くて楽なのだが、あえて北上することにしてる。
風に苦しめられて走っていると、車にのったおじさんが水は足りてるか?何か問題はないか?と僕のことを気にかけて話かけてくれた。
彼は南アフリカ在住で、南アフリカからケニアまで自転車で走ったらしい。この道も同じように走ったとか。だから気持ちが分かるよと言っていた。そして6km先に売店があるという情報も教えてくれた。
優しいおじさんにお礼を言って走り出した。走る前にいつも売店やレストランの場所を地図で把握しているのだが、この道の先に売店があるなんて情報はどこにも載っていなかったので、思ってもない嬉しい情報だった。
売店まであと3kmなんだけど、今日は風も強いし乾燥していて喉が渇く。すでに2ℓは飲んでて、売店がなかったら危なかったかも。
Canyon Farm Yard(地図)という評判の良いお店。キャンプサイトや丸形のコテージ?もあったよ。キャンプは1泊1000円ほどと安い。Wifiはないとのこと。
少し休憩してから再び走り始めた。目的地ゼーハイムまであと48km。
殺風景な無人駅。さっきの売店で休憩中、ちょうど列車が通ったので写真を撮ってみた。どことなくジブリの作品に出てきそうな雰囲気。千と千尋の神隠しかな。砂漠は風がやむと無音で妙にさみしい。
途中でC12の道路が二股に分かれていた。GoogleMap上でC12になっているが、目的地ゼーハイムまでの正しい道はB353。GPSと照らし合わせてもこちらの道が正しい。C12を外れてB353を進んだ。途中までどちらが正しいか迷いながら走った。何度も確認したがやはりB353の道が正しかった。
さっきまでのC12よりもかなり悪路だった。道路を横切るように、乾燥して干からびた川が何本もあった。きっと雨期になると川が凄いんだろうなと想像しながら。気になることがもう一つあって、道路の所々に、鹿の糞がそのままの綺麗な状態で落ちてる。という事はここ数日間、車も走っていないような道路だった。
洗濯板みたいな状態の道路。やむを得ず手で押して歩いた。自転車で走るよりも手で押していた時間の方が長かった。世界で一番過酷な道、宝石の道のような道だった。
このペースだと夜になる。
19時頃、すっかり暗くなってきた。自転車用のライトを取り出して暗くて静かな砂漠を歩いていた。風もすっかりなくなった。聞こえるのは僕の息遣いと歩く音。時折コケそうになったりしながら。
自転車用のライトの電気が無くなった。一瞬にして真っ暗闇になった。心細くなってライトを給電のプラグに差し込んだ。給電時はライトがつかないので、立ち止まって夜空を眺めた。今の状況に少し寂しさや怖さを感じながらも、天の川が鮮明に見えるほど綺麗だった。ライトの給電が終わると再び歩いた。数分後にまたライトが消えてしまうのだが、給電を繰り返しながら歩いた。
3時間ほど歩いた頃…
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目的地ゼーハイムの標識が見えてきた。
暗闇の中に急に現れた感じだった。時刻は深夜11時。ゼーハイムは町ではなく、一つだけ大きな宿がある場所のことを指すようだ。レストラン兼ホテルなのだが、門は閉まっており、広大な敷地のせいか、建物は目視できなかった。門の前にピエロの看板がありゼーハイムへようこそ。と書いてあったのだがピエロが妙に怖くて写真を撮れなかった。
本能的に何か嫌な予感がしていた。
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ピエロの看板からだいぶ離れた所にテントを張った。もうクタクタだった。7ℓあった水もなくなっていた。ゼーハイムの宿で水を買う予定だったのだが、もう閉店中だったみたいなので明日水を買うことにした。どうしても喉が渇いてしまい、水っぽいものは何かないかと、そういえば缶詰を買ってた。早く飲みたくて、パッケージをよく読むことなく缶詰の汁を飲もうと開けたら、唐辛子入りの汁だと気付く。
喉が渇いてしょうがない状態だったので、口に含んで試してみたがもう難しかった。逆に汗が出てくる辛さだった。普段、食べ物は残さず食べる主義だが、これは本当に食べれなかった。申し訳ない。
水を諦めて、寝ようとするが何か嫌な予感がして…妻に電話した。日本は朝方だったので妻と話せた。電話が終わった後もあまり寝れなかった。疲れからかいつの間にか寝てしまっていたが…
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翌朝、衝撃の事実を目の当たりにすることになるのだが…。
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