世界一周ランキングに参加してます。
上のボタンを1日1回クリックすると投票されます。
1位獲得した場合の企画も募集中です。
こちらのフォームから記入(回答)
よろしくお願いします。
ナイル川を越える日。
6時に起きて朝方からブログを書いていると時刻は11時。すっかり昼頃になっていた。お腹も空いてきたので食事した。野菜パスタとパンとインジェラを食べた。葉物、玉ねぎ、にんじんの他に珍しくジャガイモが入っていた。美味しかった。アフリカも後半戦だがエチオピアに入ってから料理は美味しくなった。
当初は110km先のデブレマルコス(地図)を目標に走ろうとしていたのだが、遅れた出発となったので、45km先のDejen(地図)を目標に走り始めた。
自転車を漕ぎ出してすぐ下り坂が始まった。まずナイル川まで一気に下る。大きな谷となっていて、坂を下り終えると登り坂が始まる。
写真では解りにくいかもしれないが、絶壁のようで、見下ろすと足が竦んだ。景色は素晴らしかった。
落石注意の標識にビビりながら進んだ。道路の状況は悪くコブが沢山あった。常にブレーキをかけた状態でないと、コブをジャンプして転倒の危険もある。ブレーキをかけてゆっくり進んだ。
しばらくするとブレーキが効かなくなった。ブレーキシューがすり減っているようで持っていた予備と交換したのだが、摩擦熱でホイールが高温になっていて危険な状態だった。バーストする可能性もあるので、靴底を地面に着けてブレーキ代わりにして、景色を楽しみつつも出来る限りスピードを落とした。
猿🐒がいた。下っているうちに何匹か見た。


手こずりながら、2時間ほど坂を下ると、大きなナイル川が見えてきた。標高が下がるにつれて、気温が上がっているのが分かった。
ここから長い登り坂が始まる。ナイル川の周辺には小さな売店が何軒かあった。水2リットルを既に持っていたが、登っているうちに水が無くなっては大変なので、予備として水2リットルを購入した。
ちょっと登って後ろを見ると、アメリカのグランドキャニオンにも似た景色だった。
延々と登り続けた。途中に一つ集落があり、そこで少女が売っていたバナナを2つ買った。美味しかった。
登り坂は大変だが、石を投げられることも少ないし、気分良く自転車を漕いでいた。ただ若干高山病気味で鼻辺りに血が登ってきているのが分かった。鼻血の前兆だと感じて、こまめに休憩しながら坂を登った。
日が傾き始めた。まだまだ登り坂は続いた。先ほどの集落でヘラヘラした18歳くらいの青年4人組に進路を塞がれ、荷物を引っ張られ続けたので怒鳴った。向こうからしたら、からかっているだけなのだろうが、本当に鬱陶しい。
4人組から脱出して10分後、今度は崖の上から大きめの石が何個か飛んできた。石は野球の球と同じくらいの大きさで当たったらさぞ痛いだろう。僕は危ないなと思いながらも、自転車を漕ぐ事に集中した。すると投げられた石の一つが左手首に当たったのだ。当たり所が悪かったのか激痛が走った。
僕は崖の上を見た。子供が笑う声が聞こえるが、崖の上で誰が投げたのかは解らなかった。相手は子供だ。痛みはあるが気持ちをグッと堪えて、何も無かったように走り出した。

痛みを堪えながら登っていると、トラックのオジサンが中身の入ったビール瓶を持ちながら「すごい。ビールあげるよ。」と言ってきた事に、僕はおかしく感じて自然と笑顔になっていた。坂はまだ続くので今ビールを飲むと脱水症状になるだろうと、ビール自体は貰わなかったのだが、オジサンの心遣いに嬉しくなった。今日も色々あったけど、どうでも良くなった。すっかり気分が晴れていた。
登り坂もあと少し。
明るいうちにDejen(地図)に到達した。時刻は19時手前。
今日の宿は水も電気もない。1泊660円。MAFLAB International Hotel(地図)。虫を避けて部屋にテントを張った。夕食はインジェラ(テフで出来た酸っぱい雑巾)とシロ(豆を煮たソース)。
石が当たった左手首は未だに痛いが、明日の朝には治っているだろうと願いながら、眠りについた。明日も坂が続くが80kmほどは走りたい。