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「…Hey brother」という声と共に目が覚めた。辺りはまだ暗い。時刻は5時頃だろうか。何だろう?と思いながら、僕はテントの外を確認した。
…すると
テントを張らせてくれた家主の男が、暗闇の中で寒そうに座っていた。しばらく状況を理解できなかった。すると男が「まだ寝てないんだよね。寒い」と言った。
なぜ寝てなかったのか、僕には全く分からなかったが、僕は男の体調を心配して「今から家に戻って寝るべきだ。」と言った。すると男は「大丈夫だ」と笑顔で言った。
昨日の夜も僕は「家の中で寝るべきだ」と男に言っていたのだが、どうやら男は僕の隣に座って、朝を待っていた様子だった。「いや大丈夫じゃないだろ」と僕は思い、念押しして「家の中に行って寝るべきだ」と伝えた。すると男はいつものように「大丈夫だ」と笑顔で答えた
まあ本人が良いなら良いかと、僕は再び横になった。すると男が「何時に起きるんだ?」と僕に聞いてきた。「僕は7時頃」と伝えた。もう少し僕は寝たかった。しかしながら、外で寒そうにしている男の事を考えたらもう眠るどころではなかった。
テントを畳んでから、了承をいただいて写真を撮った。僕が自転車に全ての荷物を載せ終わってお別れの挨拶をしようとしていると、男が「まだ寝てない。だからお金をくれ」と再び金銭の要求をされた。
昨日お金を多めに払ったはずだが、今度は頼んでもいない事にお金を払えと言ってきた。僕には理解できなかった。僕は日本人だが、彼とは分かりあえない認識があるなと感じて、若干の気持ち悪さを感じた。
「昨日、僕はお金を払った。そして部屋に戻って寝てくださいと言った。だからお金は払わない」と強めに言った。何度かそのやり取りが繰り返されたが、男は諦めたようで、何も言わなくなった。僕は悲しかったが、そのまま立ち去った。
朝から惨めな気持ちになっていた。自転車を漕ぎながら、エチオピアについて考えていた。
率直に書くとトラウマになった。昨日Fuck youと言われながら石を投げつけられた事も引きずっていた。もうエチオピア人と会話したいという気持ちが無くなっていた。
途中にあった売店で水2リットルを購入した。子供達が集まってきたが、関わろうとする事もなく、すぐに走り始めた。いつもの僕では無かった。
道路を走っていると、この日も沢山の人に声を掛けられたのだが、出来るだけ声の聞こえる方向とは、別の方向を見るようにして走った。
横を通り過ぎる度に、口を開けば物乞いされるエチオピアの現状に疲弊していた。日本とは色々とかけ離れている。間違いなく一番苦手な国だ。
10時頃にはアワッサ(地図)に到着した。かなり大きな町で、アワッサ湖という観光地のあるリゾートだが、宿が高い。1泊3400円くらいなので、敬遠して次の町まで走ることにした。
アワッサから出ると広大な砂漠が続いた。
途中にあったガソリンスタンドで休憩していると、バイクに乗った若い青年が、僕の自転車を倒した。
謝りすら一切無かった。こんな事からもエチオピアを垣間見れるような気がした。
パスタとパンとコーヒーを頂いた。本当はブログを書こうと思って立ち寄ったが、肝心の電波は思ったより悪くて、ここでのブログ更新は諦めた。
エチオピアではロバが重い荷物を運んでいるのをよく目にするが、人間がムチを使ってロバを操っている。たまにロバが重さに耐えれなくなって、つまずいて足をヒネっている所に、これでもかと人間がムチを振るう姿をみる。ロバは悲鳴をあげている。妻と旅行したエジプトでも見たのだが、見ていて気持ちの良いものではない。
シャシャメイン(地図)に到着。1泊2000円で良さげな宿。ホットシャワーあり。wifiも低速だがある。
あとあと気付いたが蚊が結構いるので、寝る時は注意。Framont International hotel(地図)。洗濯や自転車のメンテナンスしたいので3泊する予定。
自転車はかろうじて走れるが、どうしても金具とタイヤが擦れてしまい、黒い粉が出ている。これではスピードも出ないし、足に負担が掛かる。
首都アジスアベバまで残り270km。当分ちゃんとした修理は出来ないので、我慢して走る必要がありそうです。