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朝起きると雨が降っていた。一向に雨足の良くなる気配がないので走ることにした。
時刻は10過ぎになっていた。
ここコンドアから目的地ババティへと走るのだがスタートから苦戦を強いられた。地図を見ると距離は100km、獲得標高1300mといつもと比べても厳しい道のりが始まった。獲得標高1300mは箱根よりも登る。
続く雨の影響で川の水量が増えている様子。
コンドアは標高1500mと高地。最高気温21度、最低気温12度と冷涼な気温。雨に濡れた体が冷える。
12時頃には雨が止んだ。
お腹の減った僕は集落を見つけ食堂へと駆け込んだ。
店内でまっさきに目に飛び込んでくるのは物凄い量のハエ達。
衛生状況は悪いだろうが、いつものように白米と煮た豆を注文した。値段はおよそ100円。汚いのだろうが味は美味しい。白米は日本と同じ品種のジャポニカ米で甘くて歯ごたえも良い。お腹を満たした僕は再び走り始めた。
激しい登り坂が続いた。
先に書いておくとこの日は大阪にある暗峠のような傾斜が3本あった。登り坂マニアにはたまらないコースだろう。
道中で奥さんにご飯を食べていかないかと聞かれたが、この先の道のりを考えるとあまり時間がないので断った。
去り際にやはり物乞いを受けたが断った。アフリカでは物乞いが常習的になっていて、少しでも喋ったりフレンドリーにしていると最後には物乞いを受ける。あげるべきかあげないべきか考えているが、やはり僕は物乞いされても何もあげないことにしている。
その後も登りが続き顔を歪めながら自転車を漕いだ。
標高を確認すると一番高い所では1700mと高地だった。
自転車で走っているとたまに景色の良い場所を発見する。
山道は大変だが坂を上り切ったあとの眺めはいつも良い。
ババティまでは残り34kmとなった。時刻は17時頃。
目的地までの距離こそはだいぶ縮めたが、再び急傾斜の登り坂が続いた。
下り坂に差し掛かった頃には、暗くなり始めていた。
スピードに乗って一気に500mほど下った。道路に穴があるとジャンプして転倒してしまうので気は抜けない。
町に着く頃に辺りは暗くなった。
そういえば横断歩道をタンザニアで初めて見た。ババティ（地図）に到着。僕は暗くなった町で宿を探した。事前に地図でチェックしておいた宿へと向かったのだが、到着して部屋を見てみると想像していたのよりも良くなかった。別の宿へと向かった。
別の宿に到着して受付へと言ったが、ここでは満室という理由で断られてしまった。しかたなくもう一つの別の宿へと向かった。
結局、チェックイン出来たのは9時過ぎとなっていた。
White Rose Lodge（地図）値段は1892円。
綺麗で虫も少ない。蚊帳を使えば快適に眠れそうな部屋だった。
チェックイン後、夕食を食べようと部屋から出て夜道を歩いた。
すでに10時近くお店はほとんどやってなかった。暫く歩いて見つけた1軒の爆音の掛かったPUBへと入った。コーラとポテトとチキンを注文。値段はコーラ23円。チキンとポテトが283円。このお店にはこのメニューしかないそうだ。怪しい色のネオンで照らされたお店には僕の他にコーラで乾杯している4人の男グループ。バーのカウンターでお酒を飲んだ男3人と女1人。
油で揚げたポテトとお湯で煮込んだチキン塩だけのシンプルな味付け。
お腹の減っている僕は一気に食べた。このPUBでも仲良くなった店員から「お金をくれ」と物乞いを受けたが断った。「仲良くなったじゃないか。お金をくれ。」と意味の分からない理由でタカってくるのだが、これはよくアフリカではよくあること。「仲良くはなったけど、お金はあげないよ」と丁重にお断りした。相手も引き下がらず、これを3度ほど繰り返した。せっかく快く食事していたのに面倒だなと思いながら食べきった。
夕食を食べて部屋に戻ってくると11時頃だった。疲れていた僕はシャワーは朝に浴びれば良いかと、服を脱いでベッドに入った。蚊帳もセッティングしたので蚊は入ってこないだろう。…しばらくウトウトしていたが寝ていた。数時間後…激痛により眠りから起こされた。お腹が痛かった。急いでトイレへと駆け込んだ。1時間ほど格闘したがなんとかスッキリした。急な下痢だった。おそらく食べたものが良くなかったのだと思うが、もしかすると連日の疲労が出ているのかも。
明日はババティでもう一泊します。雨の影響もあって全ての衣服を洗濯したい。
年末に妻と合流するケニアのナイロビまでは426kmと近くなってきました。あと4日間ほど自転車で走れば到着できる距離です。
3ヵ月ちょっとで南アフリカから走った距離は5200kmとなりました。
