誘惑に負ける。

南アフリカもあと僅かとなった。

ナミビア国への国境まで122km。おそらく12時間ほど走れば到着できる距離なのだが、国境をまたぐ前にやっておきたいことがある。それは自転車パーツを購入すること。このまま北上してナミビアに入国しても大きめの町がなく、自転車屋はないだろう。GoogleMapでも検索したが、今滞在しているスプリングボックの自転車屋を最後にしばらく自転車屋が出てこない。

ナミビアでは砂漠を走ろうとしている。アスファルトではない砂が固まった道だ。アスファルトを走るのと比べて自転車に掛かる負担が大きい。まず僕は自転車屋へ向かった。

スプリングボックの自転車店Pro Sport & Cycling（地図）。僕はこれまでの旅で1日に5回パンクした経験がある。あの時はアメリカの山の中を走っていたのだが、すべてのチューブを使い切ってしまい、どうしようもなくなってヒッチハイクした。一日かけて走った距離120kmを戻り、もといた町の自転車屋まで送ってもらった。あんなことは二度としたくない。ヒッチハイクできたから助かったものの、もし車が通らない道で同じようなことが起これば本当に怖い。

その恐れから予備のチューブはすでに5本あるが、ここでも2本購入した。そしてプラスチック製のタイヤレバーを8本購入。プラスチック製のタイヤレバーは軽くて便利。予備のタイヤレバーは3本あるが、万が一折れる可能性も考えて買い足した。あとは予備のチェーンオイルも購入した。リム（ホイール）も購入しようとしたが、かなり重いリムしかなくて諦めた。

自転車屋へ寄った後、予約した宿へ向かった。宿についた時は12時とチェックインよりも早かった。しかしオーナー様のご厚意で早めに部屋に入れてもらった。本当に助かった。これで洗濯ができる。早めに干せば全部乾くだろう。

1泊4840円。南アフリカでは安宿の値段だが清潔感のある部屋で綺麗だった。大きなキッチン、冷蔵庫、電子レンジはあるがエアコンはついて無い。ちなみにこの日の最高気温は21度だったのでエアコンがなくても快適だった。部屋に入ってから急いで洗濯をした。鞄の中に入っている服を全部洗濯して干した。

洗濯をやり終えたあと、この町にある大型スーパーSPAR（地図）へ行った。

国境を越えてナミビアをしばらく走ると未舗装路へと突入する。野宿する機会も増えるだろう。その準備として食材や飲料を買いにきた。

豊富な食材が並ぶ店内、雰囲気もよくみんな楽しそうに買い物をしていた。野宿用としてパン1斤、ドライフルーツ1kg、バナナチップス1kg、このブログで何度か登場したミックスベジタブルの缶詰、水4.5ℓを購入。

他にも惣菜コーナーでフライドチキン、フライドポテト、パプリカとブロッコリーとズッキーニの炒め物、アボカドを買ってきた。そして誘惑に負けて南アフリカ産の白ワインを買ってしまった。ワインの値段は400円だった。他のワインも色々見たが210円～700円くらい。安くて美味しかった。

そのあとは、妻と電話したり、ニュースを読んだり、インターネットしたり、ゲームしたり。そういえば夜中に雨が降った。アフリカで初めての雨。明日は122km走ればナミビアに入れるが、国境手前で諦めて野宿する可能性もある。ここ一番の正念場になりそう。